2016/05/22、はたらくvivivitさんと勤めている会社が共催した新卒学生向けイベント、「はたらくデザイン #01 デザインカンパニーで働くデザイナー編 」に登壇した。

「これが本当のメッセージ?」

こういう若手デザイナーや学生向けのキャリアイベントで話す機会が昨年9月のUI Crunch U25から、dots.と今回…と3回続いた。
全てのプレゼンで共通して伝えているのは「デザイナーはプロダクト作りの複雑さを整理して課題発見・解決をしよう」という話。

というのも、プロダクトにおけるユーザーとの接点はとてつもなく「広くて深い」。カスタマージャーニー的な広さもあれば、The Elements of User Experience的にいうプロダクト自体を構成する要素の多様さもある。

自分が今勤めている会社–Goodpatchの受託事業では、原則PMとデザイナーがペアとなり、クライアントのチームの一員となってプロダクトの企画から設計・デザイン・実装までを一気通貫して行っているため、前述の「カスタマージャーニー的な広さ」「プロダクトの構成要素の多様さ」、その全ての工程に(関わろうと思えば)関わることができる。
なので、私のプレゼン内ではいつも「プロダクトの広さと深さを理解して、課題解決を行おう」と伝えていたし、私は今もそれに挑戦している。

ところが、ふと、本当に伝えたいことは「せっかくチャンスがあるのに、デザインの領域を狭めないで」ということだし、そのほうがもっと伝わりやすいんではないか、と昨日のイベントを振り返って気付いた。

こう思ったきっかけ

きっかけは昨日のイベント内にて。

女性4名で完全にから騒ぎ感のあるパネルディスカッションの布陣(内容自体は至って真面目でした。) — 土屋さんのinstagramから引用

弊社デザイナー4名でパネルディスカッションをするコーナーにて、アンソニーさんがある問いかけに対し「デザインとはこれをすること、って決めつけないで」と回答されていた。これは素晴らしいアドバイスだなと思って、こうしてブログを書くくらい、その場にいる学生さんと同様私にもがっつり刺さった。笑

先日読んだ宣伝会議の記事でも、佐藤尚之さんが「早くに成功してしまった人(=早熟な人)ほど自己模倣に陥ってしまい、自分の幅が結果的に狭まってしまう」というお話をされていた。
自分の得意なことばかり気付かぬうちに繰り返していると広がりがなくなってしまう。昨今言われる「デザイナー」でも「エンジニア」でも何かしらのテクニカルスキルを持つ人の職務範囲はすごく広がっているからこそ、特にこういった職業では起こりがちな気がしている。

福島氏:早熟の方々は、後々辛いということでしょうか?今の時代、どちらかというと早熟を賞賛する傾向があると思いますが。
佐藤氏:そうですね。今は若手起業家がクローズアップされることも多く、早熟をよしとする傾向が世間にはありますよね。でも、早熟だとどうしても、早くから自己模倣に陥りがちです。自分の成功体験をずっと模倣し続けてしまうんです。自分の幅を知らず知らずのうちに狭めてしまう。それでは長い人生、後までもたない。
引用:「人生は長い。他人に消費されるな。」これからの時代に必要なキャリア形成:佐藤尚之×転職会議事業部長対談 前編

「ビジュアルデザイン」という決め付けはもちろん、「デジタル領域だけ」的な、作るものの対象をも決めつけるのはもったいない。
最近社内ではラボ部というチームがVRやIoTの研究を進め、ハッカソンに出たり開発合宿で開発したりしている。(思えば自分自身も昨年はフリーランスとしてIoT製品を作っているスタートアップのUIのお手伝いをしていた。)
ラボ部の面々は「もっと広い領域のデザインに携わりたい」と言って自らVRやらIoTといった領域にtryしていて、要するに、そういうことだと思う。

プロダクトの広さと深さを理解して、課題解決を行うこと、は前提

「プロダクトの広さと深さを理解して、課題解決を行う」ことがプロダクトに関わるデザイナーに必要なマインドセットなのは間違いないと私は思っている。

そのこと自体に変わりはないけれども、一人で全部やろうという意味ではもちろんない。

実際はチームでこうしたプロダクト作りを行っていて、当たり前だけど、そのチーム内で得意な人が得意な分野で力を発揮すればよい。
(ちなみに、 rebuild.fmの142のCreative Managerの会でも宮川達彦さんと伊藤直也さんがデザインの領域って広いけど、チームの中で役割ってめっちゃオーバーラップしてるよね、という話をされていた。)

ただ、その際にプロダクト作りの全体感を持っている人と持っていない人では都度の意志決定の裏側にあることが想像できず、アウトプットが貧弱になるだろう。だからこその「プロダクトの広さと深さを理解する」ことが重要なんじゃないかなと。
自分が良いものを作るために、自分が作っているものの仕組みや、エンドユーザーの課題を知っていること、どう実装されるかを知ることは、何においても大事。

とりわけ、IT業界では戦略・企画立案から実装までにかかる時間が短い・近いため、デザイナーでもがんがん食い込める余地がある、良い環境だなと思っている。(IT業界じゃないところにいたことがないので、他の業界は分からない。)

自分のこれからのこと

そんなこんなで偉そうに色々と書いたけれども、自分自身もまだまだ一デザイナーとしての挑戦の途中。それこそ領域を狭めず新しいことにどんどんチャレンジをしていきたい。

もともと総合大学の商学部でマーケティングを学んでいたのにふとしたことの積み重なりで「デザインの面白さ」に気付き、サンフランシスコのデザイン会社でインターンをして、デザイナーとして就活をし、今はデザイン会社で働いている。

素晴らしいクライアントのプロジェクトにデザイナーとしてもPMとしても参加させてもらい(現在進行中)、Goodpatchという組織ではミドルマネジメントの経験もさせてもらった。日々失敗とまなびを繰り返しているつもりではいるけれども、正直まだまだ足りないなあという感覚がとてつもなくある。きっと一生消えないんだろうけど…!

やるからには大きな課題を解決したい。尊敬する綾太郎さんも、前職の代表も、自ら自分に大きな課題を課して果敢に挑戦している。自己模倣に陥らないように、今いる素晴らしい環境を活かしつつ、ブレーキを踏まずにぶっこんでいこうと改めて思ったのでした。

雑談

今回のイベント登壇、まだ何も成し遂げていない自分が一体新卒の学生さんに何を伝えることが出来るんだろう…と前日の17時くらいまで全くno ideaでした。でも、結果として参加してくださった学生さんが「参加してよかった」とtweetしてくれたのを見て心がいっぱいになりました。ヨカッターー。

とはいえ、3回続いたので一旦しばらくはキャリア系の話は封印していこうと思ってます、仕事として許されるなら…。。次もし何かこういった機会を頂く際には、プロダクトについて語るようなお声がけをいただけるようにしたいです。引き続きがんばりまっす。